医師サイドに立った診療が可能な診療看護師の役割

診療看護師とは、医師が不在するタイミングに、特定行為に限り診療行為を行うことができる看護師のことをいいます。米国で浸透しているナースプラクティショナーのように公的な資格ではありませんが、日本NP教育大学院協議会が認定する権威ある資格となります。

診療看護師同様に、医療行為へ従事できる看護師として特定看護師も存在します。特定看護師は、特定行為研修を受けることで業務に従事できますが、診療看護師のように資格が設けられているわけではありません。あくまで研修制度として認識されています。

診療看護師が診療の補助行為を行う際には、医師が作成した手順書に従う形を取ります。医師サイドの技術や知見を持った上で、医師の診療補助を行うのが診療看護師の立場だからです。診療看護師資格を取得するためには、看護師としての経験を5年以上積んだ後に、大学院でNP教育課程を履修する必要があります。そして修士課程を修了した後に、NP認定試験の受検を行い、合格することで診療看護師資格が付与されます。

病棟によっては、診療補助以外の多岐にわたる業務に携わる場合もあります。医師と看護師の橋渡し的立場となり、医療技術や知見を看護師に伝えていったり、業務改善についてのアドバイスを施したりもします。その他、自分でクリニカルパスやリハビリプランの作成を行い、患者の治療計画を構築するようなこともあります。

このように、診療看護師は高度な専門教育を受けた看護師と見なされるため、看護師のリーダー的な役目を任されることが少なくありません。着実にキャリアを積みたい方は、ぜひ診療看護師の道を検討してみると良いでしょう。本記事で資格に興味が湧いた方は、診療看護師の全容を確かめてみてください。